鍋の話

こんにちは、中村です。今日は雪ですね。今年は秋をすっ飛ばして冬になってしまったような気がします。

 

毎日寒いので今日は暖かい鍋の話でも……

 

 

お客さんに家で何を食べているのですかと聞かれることがよくあるのですが、この季節なら主に鍋料理です。昨日は鍋でしたし今日も鍋の予定です。鍋料理と言っても大層なものではなく、野菜や肉や魚や豆腐を煮てぽん酢をつけて食べるだけです。

 

昆布やかつおでだしをとったりもせず、ただの水で具材を煮るだけ。次から次へと野菜や肉を投入する鍋料理はうまみがどんどん凝縮されてゆきますので、だしなど入れなくても十分においしいのです。

 

市販の鍋の素など使ってみたこともありますが、一口目は美味しく感じられても、食べ進めるとくどくなってきてどうもいけません。濃厚な味を楽しみたい時は煮汁に豆乳とみそを入れれば充分、コクが出て大変美味しいです。

 

鍋のあとの〆のうどんや雑炊がまたおいしいのですが、私は一日目の鍋ではしません。鍋が終わった後、煮汁が冷めたら鍋ごと冷蔵庫に保管し、翌日にまた水や具材を足して鍋を楽しみます。煮汁のうまみが濃縮されていますますおいしくなりますし、洗い物も少なくて楽です。

 

それを繰り返して鍋に飽きたころにようやく雑炊にします。数日かけて育てた煮汁ですから、当然ものすごくおいしいです。このために鍋の日々があったのだと言っても過言じゃないくらいです。

 

 

私は大学時代は京都で暮らしていたのですが、家の断熱が甘く、備え付けの暖房器具がない京都の冬はある意味北海道より寒く、暖をとる目的も兼ねて冬場には自炊の友達と集まってよく鍋をしました。

 

まずは肉や野菜を水で煮たのをぽん酢で食べ、次にみそを入れてみそ鍋にし、最後はキムチを入れてキムチ鍋にするのです。これを三段階鍋と呼んでいました。

 

普段はろくなものを食べていない学生ですから、ここぞとばかり大量に切った野菜と肉を最後まで飽きずに食べる知恵ですね。

 

鍋にうどんを入れ、ごはんを何杯もおかわりしているのに、最後のキムチ雑炊もごはんの一粒も残さず平らげていました。若かった……

 

そう言えば当時はさほど酒が好きではなかったので、冷たいお茶を飲みながら鍋を食べていましたね。鍋なのにビールがないなんて殺人的な苦痛で、今となっては信じられません。

 

どんなに食べても胃もたれ一つしなかった若いころもなつかしいですが、ほろ苦いビールのおいしさがわかる大人ゆえの楽しさもあります。

 

人生の段階で行けば今のは私は二段階目くらいでしょうか? 良い三段階目を迎えて雑炊までおいしく食べられるように精進せねば。 

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